現在、12人の織り手さんが工房にはいらっしゃるそうで、緯(よこ)柄は工房の織り人さんが織り上げ、この経緯(たてよこ)柄の吉野間道は千春さんでしか織り上げられません。
まさに、知る人ぞ知る<幻の名品>です。
草木染しかあらわせないような落ち着きのある藤色の地。
箇所箇所により微妙に異なるいろどりの妙。
その合間を走る吉野間道。
緯糸と交わって綾なされた格子模様。
繊細にうつりかわるグラデーションがしっかりと織で表現されています。
遠目にはすーっと地に馴染んでいるように見えて…
近づくと、平面の織の中に、ふっと立体的に盛り上がるような造形美。
本当に一言で言い表わすことが難しいほど、絶妙な彩りで、細密細緻に織り上げられております。