月別: 2007年7月

特選九寸染め名古屋帯 【加藤改石 本場牛首紬】【琉球紅型 知念初子】

本場琉球紅型宗家【知念 初子】と【本場牛首紬】のコラボレーション・・・
唯一無二の特選紅型九寸名古屋帯のご紹介です。

帯地には今回、別注の特選品。
本場牛首紬、それも【加藤改石(かいせき)】の牛首地を染め地に使用した贅沢なお品でございます。

石川県の重要無形文化財に指定されている、牛首紬。
古くは江戸時代の文献にもその名が残る織物です。
今回ご紹介するお品は、第二次世界大戦以後次々と廃業していくなか、ただ一人残り糸作りを続けた加藤志ゆんさんのご子息、改石(かいせき)さんが作るお品です。
糸作りから織り上げるまで、全ての工程を手作業によって行います。
その風合いは本当に素晴らしいものです。
丁寧な手織りのお品ですので、そのしなやかな風合いと丈夫な生地質は、この先も何十年と変わることはないでしょう。

加藤機業場マーク「石」が印字されております。

ひとつひとつの丁寧な手作業と、刺繍や金箔などを使わずに、顔料の発色の鮮やかさと型のデザイン性で表現する紅型という染めの芸術。
妥協の許されない本物の仕上がりを、ぜひともお手元で、じっくりとご堪能いただきたく思います。

2007年 7月30日  カテゴリー:琉球染織

【本場結城紬・高機織】

触れて分かる、紛れもない「本物」の本結城の風合い。
着込めば着込むほどにふうわりと身体になじみ…
その強さは三代お袖を通してなお、しっかりと「上質」を感じさせてくれます。

糸づくりでは、繭からつくられた袋真綿を「つくし」と呼ばれる台にからませ、この一端より職人が指先の魔術で糸を引き出します。
右手の指で内側へ糸を捻り、さらに左手で捻り戻しをいたしますので、糸自体は平糸になって撚りがかかっておりません。
これが着れば着るほど風合いの良くなる結城紬の秘密です。

2007年 7月23日  カテゴリー:きょうの逸品

特選手刺繍摺箔友禅訪問着 【人間国宝 福田喜重】

皆様もご存知の通り、福田喜重(ふくだきじゅう)氏の刺繍技術は最高峰のものですが…
その秀でた審美眼は刺繍だけにとどまらず、染・箔においても非常に高い評価を得ております。

シンプルな面持ちは、様々なシーンに重宝いただける事でしょう。
ふっくらと凹凸のある刺繍の風合いも、一層の女性らしい華やかさを演出いたします。

落ち着きのある作品。
まさに名匠の追求した美の極致といった風情が感じられる逸品。

お着物に見られる完成された美は、一目見ただけでは味わいつくせません。
ぜひ、お手元にてその贅沢な面持ちをご堪能していただければと思います。

これほどの高貴な品格と、ただならぬ深いムード。
伝統を重んじながらも、時代に合ったものづくりに取り組まれている名匠ならではの感性を是非ともご堪能いただきたく思います。

流行すたりのある柄行ではございません。
仰々しさをきらう現代のおきものシーンにもなじみよく、一生ものの上品として、様々な場面でご活用いただけることと存じます。

2007年 7月16日  カテゴリー:人間国宝

傑作経錦(たてにしき)袋帯 重要無形文化財保持者 【人間国宝 北村武資】

重要無形文化財保持者、人間国宝 北村武資(きたむらたけし)氏の傑作袋帯をご紹介いたします。

紛う事なき、重要無形文化財指定の『経錦(たてにしき)』の織に一生に一度でいいから締めてみたい…
そんなお声をいただくほどの先生の帯を大切にお届けさせていただきます。

「経錦」と「羅」の二つにおいて、重要無形文化財保持者の認定をうけている北村武資氏。

その作品はいずれも、伝統的な織物を構成する要素に変化を加え、現代の美として甦らせることを意図して生み出されたものです。
古代技術の復元に留まらず、「現代に生きる織」を志向。
新たな織物美の創出を志すその作風は、国内外で高い評価を得ています。

経錦(たてにしき)
3色以上の経糸で重層的に組みあげ、経糸の浮き沈みで帯地と文様を模様を織り表す技法。
数色の色経糸をまとめて1本のように扱って地や文様に必要な色経糸を表に出し、残りの色経糸を裏側に沈めることによって作ります。

2007年 7月9日  カテゴリー:人間国宝

特選撒き糊友禅訪問着 【人間国宝 故:森口華弘】

もはや、お目にかかることさえも貴重…
【人間国宝・故:森口華弘(もりぐちかこう)】氏の手による、素晴らしい工藝品…
手加工の友禅によって表現された、傑作訪問着のご紹介です。

本品は、森口華弘の作品の代名詞でもある蒔糊技法と、絶妙の手描き友禅を組み合わせた、氏ならではの感性に溢れた逸品です。

綺麗な漆黒のお色の地一面に吹雪のような黄色の蒔糊が浮かび上がらせる地に、美しい濃淡にて田園の風景を思わせる、茅葺屋根の意匠が描かれた情緒豊かな一枚。

これだけの仕事がなされていながら、気軽に袖を通していただけける面持ちは、本当に御着物をお召しになられる方のことを考えて作られた1枚です。

2007年 7月2日  カテゴリー:人間国宝