ご存知でしょうか、藤山千春氏。
氏が織る作品は非常に人気があり、創作点数が極めて少ないため、きもの専門のお仕事をされている方などが織り上がりを待ち、問屋も在庫として保管しているところはそうございません。
有名なスタイリストさんが提案する着物本の美しいコーディネートや着物雑誌などで、本当にさりげなく、でもこだわりのお品として取り上げられております。
『吉野間道』は、寛永三名妓とうたわれた吉野太夫に、京都の豪商灰屋紹益が送ったと言われる織物。
なるほど、愛情を感じずにはいられない、その風情。
浮き織を太縞細縞に打ち込み、独特な風合いを持ちます。
かの名茶人・松平不昧もこれを好み、自らその写しを中国に注文したと伝えられております。
まさに幻の吉野間道を現代に蘇らせた草木の色彩と組織の調和美を、存分にお楽しみいただける仕上がりです。