特選創作袋帯 ひなや

シンプルでありながらも豊かな表情を魅せる創作品…
伊豆蔵明彦氏率いる、≪ひなや≫の創作袋帯をご紹介いたします。

春の装いに向けて、パステルカラーの美しいシリーズ品を入荷いたしました。

伊豆蔵明彦氏は、正倉院御物に残る束帯(聖徳太子が刀をさげている紐)の組み紐の組織に見せられ、長年の研究と試行錯誤の結果、7~8cm幅までしか組め なかった組み紐を帯幅まで広げることに成功されました。現在ではタペストリーや段通まで組み上げ、その作品は国内外の高い評価をうけています。

単純なバイアスの無地を帯幅まで組むのに300以上の玉数が必要で、柄や組織によっては2400玉や9600玉など気の遠くなる玉の動きが必要となりま す。新しい柄をつくるために組み機もそのつど新しいものを考案し、機から創作すると聞けば、その職人技をお分かりいただけることでしょう。まずはじっくり とご覧ください。

 

 

帯地はごく淡い白藤色を基調に、細やかに金糸も織り込んだ味わい深い地風。

タテ糸がある箇所ではヨコ糸の代わり、またあるところではタテ糸の役割を担い…
自由闊達な糸の動きで、お柄が表現されています。

みつめてみれば…深く、引き込まれそうな奥深さ。
しなやかで、締める体の線になじむその仕上がり。
しわにならず、本当にお締めいただきやすいことと思います。
さらには緩んでこないという、機能性も充実した締めやすい袋帯です。

洒落た訪問着から付下げ、色無地、小紋など、さらに、大島や牛首などの力ある織りのおきものにもお締めいただけることと思います。

お手元でご愛用頂ける一品となりましたら幸いです。

 

2012年 3月7日  カテゴリー:きょうの逸品

特選手織九寸帯 【喜如嘉の芭蕉布】

 

【人間国宝 平良敏子】氏率いる平良家の方々の手によって、丁寧に織り上げられたお品、<喜如嘉の芭蕉布>九寸帯のご紹介です。

琉球の美しい風と、やさしい大地に育まれて生まれた織物、芭蕉布。

「芭蕉布」とは、沖縄手織りの中でも最古の1つと言われており、その名の通り植物の糸芭蕉を原料として織り上げられた布です。
亜熱帯から熱帯地方に生育しますが、適度な寒暖があり、細かい繊維がとれる、奄美・沖縄の糸芭蕉が最も良いとされています。

芭蕉布の大きな特徴は、麻より繊維が堅いため軽く張りがあり風通しが非常に良く、衣類が肌にまとわり付くこと無く、一層さらりとした肌触りがあることです。
猛暑で夏の長い、亜熱帯気候の沖縄に最適な織物として、王族から農民にいたるまで夏の衣類として広く愛用されていました。

また近世から第二次大戦まで、農村では屋敷の裏庭や畑に糸芭蕉を栽培し、自給自足の生産体制が続いておりました。
しかし、かの大戦によって芭蕉布は造る人も材料も廃れてしまい、途絶える寸前になってしまいました。その芭蕉布を復興させ、伝統の技術と美を今に伝えてくださったのが、今回ご紹介するお品を製作した平良敏子氏です。

柳宗悦の『芭蕉布物語』に感銘を受けた平良氏は、倉敷で大原総一郎・外村吉之介両氏に激励されながら、倉敷で学んだ織りの知識を活かし、さまざまな技術改良を加えて、芭蕉布を「重要無形文化財」にまで復興させました。

一枚の芭蕉布ができあがるまでには、気が遠くなるほどの工程を経なければなりません。

それは、糸芭蕉の原木を栽培することから始まります。
野生のものでは硬くて使用できないので、繊維を柔らかくするための工夫をしながら育てるのです。
一反を織り上げるのに、約二百本の糸芭蕉が必要と言われます。

そこから、皮を剥ぎ、木灰汁で煮、しごいて不純物を取り除き、水に浸し、用途に合わせた細さに裂き、結び繋げる…これでようやく糸ができます。

簡単なようですが、大変な労力と時間が必要で、重要な工程です。それから撚りをかけ、整経。
染色用や絣用でそれぞれ異なる処理をし、やっと織る作業へと入ります。

乾燥に弱い芭蕉が切れないように、絶えず湿気を与えながら織ります。
5、6月の梅雨の時期が最適だそうです。
最後に織り上がった反を木灰汁で炊き、洗濯をして仕上げます。

ここまでしてやっと一枚の布が織り上がるのですから、芭蕉布の希少性をわかって頂けるのではないでしょうか。

その手触りは例えようがございません。
心地良いシャリ感に、自然の恵みを感じる節の感触…
まさしく命を織り込んだ至極の布といえるでしょう。

2011年 2月21日  カテゴリー:人間国宝

本場琉球紅型九寸帯 【人間国宝 玉那覇有公】

 

    

国指定重要無形文化財「紅型」の保持者(人間国宝)玉那覇有公氏による、本場玉那覇びんがた九寸帯をご紹介いたします。

玉那覇有公氏は、琉球王朝時代からの紅型三宗家(城間、知念、沢岻家)の一家、城間家14代・城間栄喜に師事し、修行を始め34歳に公募展へ初出品してから数々の賞を受賞。1996年60歳の時、人間国宝に認定されました。

柳宗悦にはじまる民藝運動によって、蒐集された沖縄の布。戦火による消失から救われた古紅型や織物の精緻な型染めもよう、筒引きの力強い色は、多くの人の心に感動を与えました。

もともとは、身分の高い者だけに着用を許され、一般的には禁断の布であった紅型。
廃藩置県によって王朝の庇護はなくなり、戦争によって多くの型紙や道具が失われましたが、そのような辛苦を乗り越えて創作を続けた職人の情熱は失われません。

紅型は、丁寧にひとつひとつ細かな型を彫り、白生地に糊置きをし、顔料・染料を用いて色を挿していきます。
水で糊を洗い流してあざやかな色彩が顔を出す瞬間の感動をお届けさせていただきたいと思います。

各工程に力を注いで、丹精込めて仕上げた紅型。
ひとつひとつの丁寧な手作業と、刺繍や金箔などを使わずに、顔料の発色の鮮やかさと型のデザイン性だけで勝負した染め帯ですので、凛とした美しさが感じられます。

今回ご紹介するのは、玉那覇氏により大変な手間を惜しまずに染めあげたお品です。
琉球の彩り使い…何色もの色を寸分の狂いなく染め上げられました。

絹地には、瑞宝模様を浮かべた「宗薫緞子」地を用いました。
地厚で発色がよく、紅型帯に用いられる事の多い上質生地です。

無地場は青藤色、お柄の背景にはすっきりとオフホワイトと青磁色を交互に用い、鮮やかな横段模様を表しました。

その段の中に浮かぶ、琉球の彩り鮮やかな花意匠。
身の回りの物に題材を得る琉球紅型らしく、芭蕉の葉、葵に茄子をそれぞれに込めて…
帯地にも抜群に映える、美しい仕上がりでございます。

2011年 2月14日  カテゴリー:人間国宝

本場琉球紅型小紋着尺 【人間国宝 玉那覇有公】

  

国指定重要無形文化財「紅型」の保持者(人間国宝)玉那覇有公氏による、本場玉那覇びんがた小紋着尺をご紹介いたします。

玉那覇有公氏は、琉球王朝時代からの紅型三宗家(城間、知念、沢岻家)の一家、城間家14代・城間栄喜に師事し、修行を始め34歳に公募展へ初出品してから数々の賞を受賞し、1996年60歳の時、人間国宝に認定されました。

柳宗悦にはじまる民藝運動によって、蒐集された沖縄の布。戦火による消失から救われた古紅型や織物の精緻な型染めもよう、筒引きの力強い色は、多くの人の心に感動を与えました。

もともとは、身分の高い者だけに着用を許され、一般的には禁断の布であった紅型。
廃藩置県によって王朝の庇護はなくなり、戦争によって多くの型紙や道具が失われましたが、そのような辛苦を乗り越えて創作を続けた職人の情熱は失われません。

紅型は、丁寧にひとつひとつ細かな型を彫り、白生地に糊置きをし、顔料・染料を用いて色を挿していきます。
水で糊を洗い流してあざやかな色彩が顔を出す瞬間の感動をお届けさせていただきたいと思います。

各工程に力を注いで、丹精込めて仕上げた紅型。
ひとつひとつの丁寧な手作業と、刺繍や金箔などを使わずに、顔料の発色の鮮やかさと型のデザイン性だけで勝負した染め帯ですので、凛とした美しさが感じられます。

今回ご紹介するのは、玉那覇氏により大変な手間を惜しまずに染めあげたお品です。
琉球の彩り使い。何色もの色を反物の巻き始めまで寸分の狂いなく、染め上げられました。

一色一色の彩りが心に響くかのような…。
深い深い色彩美には、見るものの心を奪う特別な魅力すら感じさせます。

淡いブルーグレーの優しい地色に、紗綾型を基調に込めて、その中に映える「彩花」を、紅型ならではの彩りの冴えにて表現いたしました。

2011年 2月7日  カテゴリー:人間国宝

傑作経錦(たてにしき)袋帯 重要無形文化財保持者 【人間国宝 北村武資】

   

重要無形文化財保持者、人間国宝 北村武資(きたむらたけし)氏の傑作袋帯をご紹介いたします。

「経錦」と「羅」の二つにおいて、重要無形文化財保持者の認定をうけている北村武資氏。

その作品はいずれも、伝統的な織物を構成する要素に変化を加え、現代の美として甦らせることを意図して生み出されたものです。
古代技術の復元に留まらず、「現代に生きる織」を志向。
新たな織物美の創出を志すその作風は、国内外で高い評価を得ています。

もちろんこの織り味をだせるのは、北村武資氏だけ。
西陣のメーカーさんが北村氏の帯をほどいて組織を研究し同じものを織り上げようとしましたが、誰も復元することができなかったというエピソードもございます。

~経錦(たてにしき)~
3色以上の経糸で重層的に組みあげ、経糸の浮き沈みで帯地と文様を模様を織り表す技法。
数色の色経糸をまとめて1本のように扱って地や文様に必要な色経糸を表に出し、残りの色経糸を裏側に沈めることによって作ります。

淡い柳茶色を基調とした地に表現された「瑞宝紋」。
朱の華紋や鶸(ひわ)色の獅子などを繊細に浮かべて、実に趣深い面持ちに仕上げました。

ここまでのデザイン性のあるお品には、そうお目にかかれません。

現代の空間に溶け合うモダンで立体感ある表情。
最小限の色使いで創作されながら表情豊かな仕上がりは、さすが名人のひと品といえましょう。

本当に上品な風格。
最小限のお色使いながらも悠久普遍の美の表情を演出し…
また合わせるお着物の魅力を最大限にひきだしてくれるひと品でございます。

2011年 1月31日  カテゴリー:人間国宝

傑作煌彩錦(こうさいにしき)袋帯 重要無形文化財保持者 【人間国宝 北村武資】

 

   

重要無形文化財保持者、人間国宝 北村武資(きたむらたけし)氏の傑作袋帯をご紹介いたします。

~煌彩錦~
そう呼ばれる本品は、京友禅、本加賀友禅など…
また趣味性豊かな織物の訪問着などにも。
いかなる地色、いかなる染めにもコーディネートいただける万能品です。

「経錦」と「羅」の二つにおいて、重要無形文化財保持者の認定をうけている北村武資氏。

その作品はいずれも、伝統的な織物を構成する要素に変化を加え、現代の美として甦らせることを意図して生み出されたものです。
古代技術の復元に留まらず、「現代に生きる織」を志向。
新たな織物美の創出を志すその作風は、国内外で高い評価を得ています。

もちろんこの織り味をだせるのは、北村武資氏だけ。
西陣のメーカーさんが北村氏の帯をほどいて組織を研究し同じものを織り上げようとしましたが、誰も復元することができなかったというエピソードもございます。

細かな入子菱の地紋を綾なした、煌くホワイトゴールドの帯地。
まさにこの上ない高雅と気品に満ち満ちて。
意匠には「結」と銘打たれた創作意匠を織り成しました。
糸巻きを模したような図案を、白とアイボリーにそっと織り分け、実に趣深く仕上げられた秀作でございます。

本当に上品な風格。
最小限のお色使いながらも悠久普遍の美の表情を演出し…
また合わせるお着物の魅力を最大限にひきだしてくれるひと品でございます。

2011年 1月24日  カテゴリー:人間国宝

傑作経錦(たてにしき)袋帯 重要無形文化財保持者 【人間国宝 北村武資】

    

 

重要無形文化財保持者、人間国宝 北村武資(きたむらたけし)氏の傑作袋帯をご紹介いたします。

「経錦」と「羅」の二つにおいて、重要無形文化財保持者の認定をうけている北村武資氏。

その作品はいずれも、伝統的な織物を構成する要素に変化を加え、現代の美として甦らせることを意図して生み出されたものです。
古代技術の復元に留まらず、「現代に生きる織」を志向。
新たな織物美の創出を志すその作風は、国内外で高い評価を得ています。

~経錦(たてにしき)~
3色以上の経糸で重層的に組みあげ、経糸の浮き沈みで帯地と文様を模様を織り表す技法。
数色の色経糸をまとめて1本のように扱って地や文様に必要な色経糸を表に出し、残りの色経糸を裏側に沈めることによって作ります。

シックな利休茶色を基調とした地に表現された「雪花菱」の意匠。
経錦の中では珍しく、緯糸に金糸を用いて意匠の縁を艶やかに仕上げて…
淡い柳茶と、暖かみのある水柿色を込めて大柄に織り上げました。

ここまでのデザイン性のあるお品には、そうお目にかかれません。

現代の空間に溶け合うモダンで立体感ある表情。
最小限の色使いで創作されながら表情豊かな仕上がりは、さすが名人のひと品といえましょう。

本当に上品な風格。
最小限のお色使いながらも悠久普遍の美の表情を演出し…
また合わせるお着物の魅力を最大限にひきだしてくれるひと品でございます。

2011年 1月17日  カテゴリー:人間国宝

傑作経錦(たてにしき)袋帯 重要無形文化財保持者 【人間国宝 北村武資】

 

重要無形文化財保持者、人間国宝 北村武資(きたむらたけし)氏の傑作袋帯をご紹介いたします。

「経錦」と「羅」の二つにおいて、重要無形文化財保持者の認定をうけている北村武資氏。

その作品はいずれも、伝統的な織物を構成する要素に変化を加え、現代の美として甦らせることを意図して生み出されたものです。
古代技術の復元に留まらず、「現代に生きる織」を志向。
新たな織物美の創出を志すその作風は、国内外で高い評価を得ています。

~経錦(たてにしき)~
3色以上の経糸で重層的に組みあげ、経糸の浮き沈みで帯地と文様を模様を織り表す技法。
数色の色経糸をまとめて1本のように扱って地や文様に必要な色経糸を表に出し、残りの色経糸を裏側に沈めることによって作ります。

こっくりと深い黒を基調とした「葡萄立枠」。
茶鼠色の立枠模様の中に、朱の葡萄文や白茶の葉、飴色の花模様を込めて、実に趣深い面持ちに仕上げました。

ここまでのデザイン性のあるお品には、そうお目にかかれません。

現代の空間に溶け合うモダンで立体感ある表情。
最小限の色使いで創作されながら表情豊かな仕上がりは、さすが名人のひと品といえましょう。

2011年 1月10日  カテゴリー:人間国宝

創作西陣袋帯 紹巴萬葉 山喜織物

通の方ならご存知かと思います…『紹巴萬葉』の文字。
紹巴(しょうは)織と言えばここ、西陣の名門、山喜織物。
よく出回っている紹巴織とは全く異なる、本物の紹巴織でございます。

紹巴織…
地をつくる経糸と柄をあやなす経糸の二重経で織り上げられる技法。
その組織の裂(きれ)をあの千利休の弟子、里村紹巴が愛用したことから、この名前がつけられました。

織りくちはなめらか。
そのこしの強さは時を経ても美しい風合いを保ち続けることができ、シワになりにくく、しなやかで密な仕上がりとなっております。

その独特の織味の帯地に、細緻に織り出された味わいの意匠。
絶妙な配色、流行りすたりがなく、ずっとお使い頂ける、洗練されたデザイン。

金銀彩を使用しておりませんので、お茶席にもお使い頂けますし、全通ですのでお太鼓を出しやすく重宝いたします。

飽きのこない帯姿を演出してくれる仕上がりの一品。
付下げ、色無地、小紋、織りのお着物とのコーディネートで豊かな風合いと、きゅっとした締め心地をご堪能下さいませ。

2010年 9月22日  カテゴリー:きょうの逸品

創作西陣袋帯 紹巴萬葉 山喜織物

通の方ならご存知かと思います…『紹巴萬葉』の文字。
紹巴(しょうは)織と言えばここ、西陣の名門、山喜織物。
よく出回っている紹巴織とは全く異なる、本物の紹巴織でございます。

 

紹巴織…
地をつくる経糸と柄をあやなす経糸の二重経で織り上げられる技法。
その組織の裂(きれ)をあの千利休の弟子、里村紹巴が愛用したことから、この名前がつけられました。

織りくちはなめらか。
そのこしの強さは時を経ても美しい風合いを保ち続けることができ、シワになりにくく、しなやかで密な仕上がりとなっております。

その独特の織味の帯地に、細緻に織り出された味わいの意匠。
絶妙な配色、流行りすたりがなく、ずっとお使い頂ける、洗練されたデザイン。

金銀彩を使用しておりませんので、お茶席にもお使い頂けますし、全通ですのでお太鼓を出しやすく重宝いたします。

飽きのこない帯姿を演出してくれる仕上がりの一品。
付下げ、色無地、小紋、織りのお着物とのコーディネートで豊かな風合いと、きゅっとした締め心地をご堪能下さいませ。

2010年 9月15日  カテゴリー:きょうの逸品