シンプルでありながらも豊かな表情を魅せる創作品…
伊豆蔵明彦氏率いる、≪ひなや≫の創作袋帯をご紹介いたします。
春の装いに向けて、パステルカラーの美しいシリーズ品を入荷いたしました。
伊豆蔵明彦氏は、正倉院御物に残る束帯(聖徳太子が刀をさげている紐)の組み紐の組織に見せられ、長年の研究と試行錯誤の結果、7~8cm幅までしか組め なかった組み紐を帯幅まで広げることに成功されました。現在ではタペストリーや段通まで組み上げ、その作品は国内外の高い評価をうけています。
単純なバイアスの無地を帯幅まで組むのに300以上の玉数が必要で、柄や組織によっては2400玉や9600玉など気の遠くなる玉の動きが必要となりま す。新しい柄をつくるために組み機もそのつど新しいものを考案し、機から創作すると聞けば、その職人技をお分かりいただけることでしょう。まずはじっくり とご覧ください。
帯地はごく淡い白藤色を基調に、細やかに金糸も織り込んだ味わい深い地風。
タテ糸がある箇所ではヨコ糸の代わり、またあるところではタテ糸の役割を担い…
自由闊達な糸の動きで、お柄が表現されています。
みつめてみれば…深く、引き込まれそうな奥深さ。
しなやかで、締める体の線になじむその仕上がり。
しわにならず、本当にお締めいただきやすいことと思います。
さらには緩んでこないという、機能性も充実した締めやすい袋帯です。
洒落た訪問着から付下げ、色無地、小紋など、さらに、大島や牛首などの力ある織りのおきものにもお締めいただけることと思います。
お手元でご愛用頂ける一品となりましたら幸いです。